プレー中の選手画像をSNSへの投稿禁止に選手会が見直し要求
3月21日に日本プロ野球選手会と日本野球機構(以下NPB)の間で話し合いが行われた。NPBはプレー中の写真や動画をSNSへ投稿することを禁止するルール改訂を行ったが、選手会がそれに対して見直しを求めた。
主な見直し内容としては試合中の写真をSNSへ投稿することは禁止にしないでほしいということだった。
新ルールとは?
そもそも今回でどうルールが変わったかというと
・試合中の選手の写真・動画のSNSへの投稿の禁止
・140秒を超える試合中の選手以外の動画のSNSへの投稿の禁止
・試合中の配信の禁止
大まかに分けるとこの3つである。
なぜSNSへの投稿を禁止することになったのか?
NPBからの発表では主催者の権利や利益、プロ野球の普及発展と球場観戦の価値向上などがSNS投稿禁止の理由として挙げられた。
新ルール制定の理由
もちろん新ルールの背景には原因がある。
無許可で動画投稿サイトでの試合のライブ配信や試合を丸ごと動画投稿などが行われ、広告がつけられて収益を得ているケースもあったという。実際NPBの新ルールの項目で許諾していないことに「三脚やパソコンの持ち込み」「明らかに営利を目的とするもの」が挙げられていたことからこれらのことを問題視していた可能性もある。
SNS投稿で起きる問題
SNS投稿で野球が盛り上がるならいいじゃないか!という人もいるかもしれない。もちろんSNSへの投稿が多ければ野球に触れる機会が増え、興味を持ってくれる人も増える可能性はある。しかしSNSで目にする機会が増えることによってそれで満足してしまい、観戦や正規の動画配信などで観戦する機会が減り、収益を上げられなくなる可能性がある。そうなれば結果として日本の野球自体が衰退する原因になってしまう。それにNPBも試合を放送する権利を売っている以上、違法な動画投稿へのルール作りは必要だろう。
新ルール制定の狙いと影響
NPBもSNSをすべてチェックして警告を送るのは難しいし不可能だろう。だとすれば、今回の新ルールは無許可でのライブ配信や試合をまるまる投稿するなどといった特に悪質なことへの牽制・取り締まりに使われるのではないだろうか。
しかしこの新ルールはファンにとっても不安の種であることは間違いない。ルールを守る人はSNSへの投稿は控えるだろうし、気にしない人はそのまま投稿を続けるだろう。それで取り締まられなければルールを守らない人の投稿へ注目が集まりルールを守る人だけが割を食うことなりかねない。ファンも毎日試合を観戦に行けるわけではないし登録している動画サイトで配信していない可能性もあるなかでSNSに投稿される画像は楽しみの一つだろう。
この新ルール制定はまさに悪質な人をせいで正当なファンが損をするという典型的なパターの一つだろう。
選手会の見直し要求の狙い
こういった懸念の中、少しでも不満を減らそうというのが今回の選手会の動きだろう。また、選手会には少し前に野球ファンから不満がたまる出来事もあったため好感度アップの狙いもあるのではないだろうか。
今回の件への感想
今回のルール改訂はSNS上でかなり混乱を呼んでおり、特に今まで気軽に画像を上げていた人にとってはかなりショックが大きいだろう。実際は依然として画像の投稿が行われておりそれを罰したとの報告もなく、実際の罰則がどうなるのかもわからないためまだまだ混乱は続くのではないかと思われる。
ただ今回のルール改訂は「違法なことに対処するためのルール作り」であるため抜け道ができないようにかなり厳しくしたのではないかと考えられる。NPBとしても野球が衰退するのは望まないであろうからルールは厳しくするが取り締まりは厳しくはしないだろう。取り締まりを厳しくすればファンからの反発や不安が広がるからだ。
そして今回の選手会の要望はファン側の過度な不安を和らげるといった狙いがあるだろう。選手会は上沢選手や佐々木朗希選手の件でファン側からの不満をため込んでおりそういったことへのガス抜きのような狙いもあるのではないだろうか。
ルールや制度が厳しくなる時は常に不安から批判の声が上がりがちだが改定の原因や背景を知ればなんとなくだがラインはわかってくるはずだ。もちろんルールを守るのが最善だが常識的な範囲内でならある程度は許されるだろう。
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